伊賀上野の組紐は、高台による高麗組の帯〆に代表されます。畳半畳くらいの大きさで組み手が台の上に乗って組む、組紐の台としては最も大きなものです。50から70近い糸玉を巧みにあやつり、左右それぞれ上下に分けられた玉を上げ下げすることで、複雑な柄出しができるのが高台の特徴といえるでしょう。他にも、綾竹台、角台、丸台、内記台などが使われることもありますが、主流はあくまで高台です。高麗組をはじめとして、貝の口組、大和組、内記組、笹波組など組み方は変形も含めれば300種以上といわれています。平組か丸組か角組か、あるいはどんな柄の紐を組むかによって、使う台や組み方が決められます。
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丸 台
鏡(上板)と脚、下板とによって組立てられた台で、主に組み下げて組み進む。上板の穴から玉に巻いた糸を出し、組みあがった紐は下へさがってゆく。台の中では最小のものであるが、高台で組む一部のものを除いて、初歩的な単純な紐から唐組のように非常に複雑なものまでほとんどの組み方ができる万能な台といえる。すべての糸を締めながら組むので、ヘラで打ち込む紐と違った味わいがある。使える玉数に限界があるために、特別に作られた台を除くと柄の種類は少なく、逆に組目の美しさが持ち味となる。 |
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角 台
鏡と呼ばれる四角い台板と、組み上げた紐を引っ張りあげるための滑車のついた柱とからなる台で、柱から下げられた鏡によって組んだ紐を引っ張り上げながら組んでゆく。糸に撚りをかけながら組すすむのがこの台の特徴で、撚りが戻らないようにするために足の部分に布が巻いてある。比較的玉数の少ない紐を組むのに使われる。この台では、四つ組のような少ない比較的単純な紐から複雑な唐組まで、丸紐も平組もできて組み方は自由。 |
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綾竹台
約40センチ角の木枠で、手前には矢羽根型の切り込みを入れた板と、組み糸がもつれぬように立てた丸棒が45度くらい傾いてつけられた台。経糸を矢羽根型の板と棒の間にかけ、緯糸は左右の枠にかける。上下の糸の間に緯糸を入れてヘラで打ちながら組む。平組だが、伸びが少なく、ざっくりしたしめやすい紐が組める。この台の紐ほど柄の種類が多いものないが、いずれも線を基調とした柄のバリエーションということができる。 |
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高 台
畳半分ほどの大きさで、組む人は台中央に渡された板の上に座って組む。台の正面にある鳥居のような形をした巻き取り軸に糸を結びつけて、台の左右に、二段ずつつけられた枠(コマ)に玉のついた糸を掛け、綾書きという組み方の符号に従って、竹型のヘラで打ち込んで目を整えながら組んでゆく。上下二段の糸の色を変えることで、部分的に模様を出すことが出来る。玉数を多く使えるので模様の変化も多く、複雑な柄出しができるのが特徴。かつては嫁入り道具のひとつでもあったことから、クサビで止める組立式になっていて、自分の体格に合わせて建具屋に作らせることが多い。 |
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内記台
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